「あまいワナ」
たまに昔のなっつんが懐かしいと思うんだ。
こう・・私にちょっと触れるのさえ躊躇してたような昔がさ。
仕方ないかなぁ?私ってば贅沢?!なのかな・・
今だってなっつんはなっつんだし一緒なんだけど。
そんなに優しい眼をあからさまに向けたりはしなかったよ。
知ってたけどね、ものすごく優しいってことならとっくにさ。
一番変ったなぁって思うのはやっぱり・・
とにかくすぐに私に触れるようになったこと。
油断してると驚くほど近くにいたりして焦るよ。
変ったなと思う、最近特に・・反応が。
乗せられてるみたいで悔しい気もする。
変らないといえば、他はなんにも変ってないんだけどな。
今だって無邪気で単純で幼い表情もそのままなのに。
けどやっぱりそんな甘ったるい声は出してなかったぜ。
嬉しそうにからかうように、オレを誘うように。
何が困るって、おまえは触れると敏感に応えるだろ。
歯止めが利かなくなりそうでマジで悩むっての。
「もうっ!なんだよぅ、さっきから〜!?」
「何って、おまえが嬉しそうな声出すから・・」
「嬉しそうなのはなっつんじゃん!何その顔!」
「いつもの顔だろ。おまえこそ!」
「なに?」
「ちっとも嫌がってないだろ、身体は。」
「ヤラシイ言い方しないで!そんなことないもん。」
「へー・・じゃあ証明してやるよ。」
「え?何・・?!・・!!!あ・ぅ・・ん・・」
「・・ヒキョウモノぉ・・!」
「・・ヤラシー顔。」
「なっつん程じゃないよっ!!」
「オレはいいんだよ。」
「そんなの不公平じゃん。」
「いいんだよ!オレは色々と苦労してんだから。」
「えぇ〜!どんな苦労!?」
「おまえのワナにひっかからないように常に油断がならんし。」
「ワナ?ナニそれ。なっつんこそ、隙ばっかりついてさぁ・・」
「・・誘ってんじゃねーのか?」
「違うよ、びっくりして変な顔になっちゃうからヤダ。」
「確かに面白いカオ・・」
「うわヒドイ!!イヤイヤ、なっつんのおばか!」
「ぷぷ・・」
「笑うなー!!」
なっつんはヒキョウだと思う。すぐこんな風に抱きしめるの。
気持良くて怒ってるのについ私の手は勝手に抱き寄せちゃうし。
耳元で囁くように「・・・・」って言われるともう・・
「なっつんなんて、なっつんなんて〜!・・」
「うるせぇよ、おまえなんて・・」
「だいすき・・なんだから!」
「!おまえの方がよっぽど・・ヒキョウだろ?」
強く強く抱かれるともうなにもかもどうでもよくなっちゃう。
どちらからともなく繋がったキスは甘くて蕩けそうだし・・
ねぇどうしよう?もうどんなことしても許せちゃうかもしれない。
今日ものっくあうと負けって感じなの、降参だよ悔しい。
だけど仕方ないの、好きですきでスキでだいすきなんだもん!
”ねぇもっと抱きしめて?”
ほんとにコイツってヒキョウ者だよ。旨く乗せられちまう。
むかついて少しだけ乱暴に抱き寄せるのに喜んでやがるし。
オレも抱きしめた身体が心地よくてつい謝っちまうし・・
「おまえが悪い。」
「なっつんだよ。」
「責任とってくれよ。」
「こっちの台詞!」
強く抱きしめると壊してしまいそうだってのに縋る手が嬉しすぎて。
おまえからも求めるように向けられた視線と顔に引き寄せられる。
どうしてくれんだよ、止まれなくなるって、マジで。
その甘い身体とそこに隠れてるおまえを全部くれよ。
どんだけオレを欲しがらせりゃいいってんだよ?
”抱けばもっと欲しくなる”
「ホントに態とじゃねぇのか!?」
「なっつんこそ、なんか企んでない!?」
『なんで(だ)よ!!』
二人で同じこと叫んじゃって可笑しいの。
身体が熱くてタマンナイ。何度もキスをしたから。
首筋に刺すような痛み。なんだろう・・?
「やべーかな?見えるか・・ここ。」
「何?今ちくっと痛かった。」
「跡・・付けちまった。わりぃ・・」
「跡?何の跡?!」
「オレのもんって証拠。」
「??」
よくわかんないでいたら、胸元を少し寛げられてびっくりした。
「何!?痛っ!・・イタイよ、なっつん。」
「ここなら見えないだろ?」
「私には見えるよ。あ、紅い。」
「まぁその・・予約。」
「なんの予約?」
「予防線なら見えないとダメか・・」
「なっつん、やっぱりなんか企んでるー!?」
「なんも企んでねぇ。ついでにこの辺も・・」
「あっ!〜ゃぁ・・ヤメテ!」
「顔も赤くなってら。」
「なんかヤラシイ。なっつんの顔。」
「だからおまえには負けるって。」
「失礼だよ、ホントなっつんてば!」
私が睨むとなっつんはとってもにっこりと微笑んだの。
その笑顔がなんだか胡散臭くて・・「何・・?!」って訊いたけど
教えてくれなくて。・・・意地悪になったと思うの、なっつんて。
すごくすごく意地悪で・・でもそう言うと嬉しそうなの。なんで!?
それでね、いっぱい「予約」の跡付けられちゃったの・・
なんか、ヤダ。虫に刺されたみたいで。
何かのワナにはまったみたいでどきどきするの。
だってあなたの触れた跡は皆熱くてじんじんして・・
変なんだよ、触れてないとこが寂しいみたいなんだもの。
悔しいからお返しに真似してなっつんの胸に一つ付けてみた。
うまくできないから笑われてもっと悔しくって。
「できたっ!どぉ!?上手にできたでしょ!?」
「ああ、巧い巧い。もっと強くてもいいぜ?」
「口がくたびれるからもういい。なっつんてすごいね。」
「褒めるのはまだ早いって。」
「・・?やっぱりなんか企んでる・・!!」
「おまえのワナには到底適いませんよ。」
砂糖吐くかも、とか思いつつ書いたんですけど・・思ったほどじゃなかった。
衝撃の事実。開き直って書くとそう恥ずかしくないかもしれない!?(^^;
ただたんにいちゃいちゃしてるだけの、これこそ「やおい」でしたね!
も、おまえらどうにかしてくれっ!てな感じで書いてました(笑)