サラダ・ガール
一日一日、似通っていても同じではないように
一分一秒毎に更新されていく。だから目を離せない。
常に新鮮な君においていかれそうで不安なんだよ。
何が言いたいかって、つまり繰り返し触れるのは
昨日の君と今日の君とじゃゼンゼン違うからなんだ。
「髪伸びたかなあ・・切りに行こうかなあ!?」
「まだいいんじゃないか。長いのも悪くない。」
「そう?やっぱり短い方が似合うと思わない?」
「なら好きにすればいい。なんで訊くんだよ?」
「わっいやな言い方!どうでもいいみたいに。」
始まる口喧嘩に朝っぱらからうんざりさせられる。
髪の長さがどうとかって本当にどうでもいいんだが。
女と暮らすってことは苦労の連続だとかよく聞くが
苦労ってもんじゃない。些細な食い違いくらい当然だ。
お互いに未知の部分が新たに見つかったりすることは
面白いことだ。諍いがまったく無いのもつまらない。
「なっちも切ればいいよ!伸びたら変だもん。」
「定期的に散髪してんだからほっといてくれ。」
「ほのかが切ってあげようか?たまにはさ!?」
「断る。やってみたいだけなんだろ!」
「思うんだけど、なっちは頭固いよ。」
「お前は面白がり過ぎだ!」
せっかくの休日もこんなことで始まることが多い。
今日はまだかわいいもので、あっという間に機嫌は直った。
どんなに衝突があったとしても当日解決することにしてる。
持ち越しはもってのほかなのだ。俺にとって切実な問題で。
夜、ほのかを腕に抱いて寝ないと眠れなくなったからだ。
口惜しいことにほのかの方は一人でも平気で眠れる。
俺だって以前はそうだった。二人寝するようになる前は。
眠れないんだからしょうがない。仕事に差し支えるんだ。
腕が疲れないかなんて嫌そうに告げられるとかなり痛い。
昼食後、ほのかは居間のソファでうとうとし始めた。
特に用もないし、しばらくは昼寝もいいだろう。ただ・・
俺が詰まらない。休日をゆっくりしたいがために平日に
仕事を片付けているのだ。つまり・・ほのかと過ごす為に。
「なっちは・・なんか用事してて〜?・・むにゃ・・」
「膝貸してやるってのに・・なんでいやがるんだよ。」
「別にそんなことしなくっても・・眠れるもん〜・・」
もう寝息に変わっている。寝付きの良さには呆れるほどだ。
しかもどこでだってお構いなしなのだ。俺には絶対有り得ない。
結局膝の上にほのかの頭を乗せ、読書でもすることにした。
「昨晩ちょっとばかり・・いじめすぎたか・・」
読書はできなかった。ほのかの寝顔を見ていたので。
飽きないんだから不思議だ。寝ていても結構表情が変わる。
しかし段々つまらなくなって髪をいじってみたり頬を突く。
「起きろよ・・でないと今夜も寝られなくなるぞ。」
反応がないことにがっかりする。昨夜やりすぎただろうか?
いやいや、そんなことはない。あと一回は諦めたんだからな。
「んん〜・・なっちってば・・やめてよう〜・・!」
「!・・・寝言か。」
夢の中はのぞけないが、そこで何をしてるんだと窺うと
俺の膝をぐいぐい押して抵抗している。まさか夢の中でも
しつこい俺に困っているんだろうか。・・・それは困る。
困惑しているとほのかが目を覚ました。ぼんやりした目付きで
俺を見つけるとむっとした顔になった。やはりこれは・・なのか?
「なっち!ダメでしょ、浮気。ゼッタイ!!」
「浮気!?んなことしてねえ、俺は潔白だ!」
「あれっ生なっちだ。なんだ夢かあ・・!」
「ナマってなんだ;俺の偽者がいたのか?」
「う〜ん・・ニセモノかどうだかわかんないけど。」
「まさかそいつに何かされてないだろうな?」
「ええ?夢の中にまでヤキモチ妬いてんの?」
「どんな夢だったんだよ。」
「んとね、なっちがマジシャンみたいな格好してて」
「お前が鳩かウサギだったってのか?」
「なんで知ってるの!?夢を覗いてたの!?」
「そんな能力があればいいんだが、ないな。」
「うわ〜!やだよこのひと。こわいわー!!」
少々むかついたので捕まえてお仕置きした。ほのかの好きな
時代劇風なので喜ばせてやってるような気もするんだが・・
「やめてえ!お代官様、ごむたいな〜!!」
「面白いのか、それ。」
「うん、なっちがほのかをくるんってひっくり返すじゃない。」
「それが?」
「帯くるくるのシーンみたいなんだもん。」
時代劇に限らずそういったものを見ないのでよくわからない。
ひっくり返したのは後ろからの体勢を嫌がるんでそうしたまで。
なんでも俺の顔が見えないからだと言うがなんだその可愛い理由。
嫌がる様もそそるのでお仕置きに使わせてもらう。背中から丹念に
責め始めると、ほのかがぶるっと震えた。
「あ、あの・なっちぃ・・いまわりと本気・・?」
「一回くらいいいだろ?」
「昼間っから!ほのか明るいのは苦手なんだよ!」
「よく見えるし俺は得意だが?」
「恥ずかしいって言ってるのっ!イジワルうう!」
わかってて言ってんだよ。どうせ嫌がるって。お仕置きだから。
だがたまにここでも意見の食い違いから思わぬ発展があったりする。
ほのかの反応は似ているようで毎回少しずつ違っていて興味深い。
「うう・・いつもやられっぱなしのほのかじゃないんだから。」
「反撃するつもりなのか?!・・おもしれえじゃねえか。」
「悪いなっちはこらしめなきゃ・・えっとえっと・・あむっ!」
噛むのはほのかの幼い頃からの得意分野だが、そこはなかったな。
押さえ込まれていたのでそこしかなかったのだが、手首を噛まれた。
痛くはないのでそのまま魚でも釣るようにゆっくりと持ち上げると
それは状況突破の為だったらしくぱっと口を離して次の反撃に移った。
「あ、おい・・ほのか・・大丈夫か・・?」
ぴ〜っと涙声が上がった。ジッパーで指を噛んだらしい。阿呆・・
しかし涙目のままきっと再び戦闘態勢になった。ほのかと反対に俺は
予想外の”ご奉仕”展開に申し訳ないような気持ちになっていた。
”口ですんの嫌なくせに。俺にはいいことずくめだが。”
慣れなくてもたもたしてるところがまた可愛いのだが、油断ならない。
何せ場所が場所なので痛い思いをすることもある。ほのかは悪くないが
ハラハラする。一度歯を立てられて死ぬかと・・いやまあそれはいい。
ほのかは基本素直なので羞恥心さえクリアすれば実に優等生なのだから。
「っぷ。はぁっ!・う・・どうだ!うまくなったでしょ?!」
「ああ上等・・ってかお前、昼間っからは嫌じゃなかったのか?」
「うん・・だけどなんか夢でさ・・鳩にされた後、なっちが・・」
「うん?俺がどうしたんだ。」
「帽子からび・美女を出したんだよ・・それでその・・くやしくって」
「美女って誰だ?心当たりがないんだが。」
「わかんないけどほのかと正反対のタイプ。み・美羽に似てたかも・」
「そんで浮気ね。俺がそいつになんかしたのか?」
「ううん、そのひとがなっちに飛びついたとこで目が覚めた。」
「へ〜・・そりゃ惜しかったな。」
「えっ!なななんで?なっち浮気したいの!?ほのかと違う美女と!」
「そうじゃねえよ、夢の続きならきっとその美女は肘鉄食らってた。」
「・・それほんとう〜〜?」
「疑うのか、そうかそうか・・ところでそろそろ限界なんだが、いいな?」
「え、あっ・・」
昼間っから大変美味しい想いをさせてもらった。デザートにしちゃ豪華だ。
予定外のことで夜の予定にも影響しそうだが、それはそれで問題はない。
「はあっ・・はっ・・は・・も・・」
「もっとか?ほのか。どっからがいいんだ?」
「ちがっ・・もういいの!も・・あああん!」
その後「気持ち良かったけど!」と膨れ面で呟くほのかが大層可愛かった。
相互理解の道は険しい。だがやめたいとは思わない。恐る恐る確かめると
「なっちが一番だよ?何するのも楽しいの。えっちだってなんだって。」
「俺でなくても男はいるぞ?」
「なっちじゃなきゃだめ。それにどんな美女でも浮気ダメだからね!?」
「それを聞いて安心した。俺もお前でなきゃ役に立たずなんでね。」
新鮮な毎日はいつも新しい君がいるから。繰り返す極上の旨い生活。
最高の相手を見つけてから、俺には幸福が後から後から押し寄せてくる。
裏更新だー!久しぶりだー!あんまりエロくないけど・・甘いでしょ?