「きれいな月だね、殺生丸さま」
「・・ああ」
「明日は晴れるかな?」
「そうだな」
「きっと晴れるよね、殺生丸さま」
「心配するな」
「はい、でも今夜は眠れそうにないな〜・・・」
「眠っておけ、明日の晩にひびく」
「だって・・・なんだか信じられなくて」
「いまさら何を・・・」
「ほんとにりんでいいの?」
「何度も言わせるな」
「嬉しいことは何度も聞きたいんだもの」
「これで最後だ、もう言わぬ」
「わかりました。でも明日からはね・・・」
「何だ」
「ずっと離さないでねって言うの。」
「・・・」
優しい口付けと離さないの言葉、
明日からは違って聞こえるかしら。
明日あなたのお嫁さんになっても
二人で見上げるあの月はひとつだね。
晴れても曇っても見えない日でも
そこにあるって知ってる幸せ、
ずっとずっと感じていたい。
私があなたを愛するように
あなたも私を愛してるって。



〜一人で眠る最後の夜〜