「ありがとう、殺生丸さま」
「なんのことだ」
「りん、嬉しかったの」
「?」
「殺生丸さまがわかってくれたのが」
「どうしてわかったの?」
「お前のことなら大抵はわかる」
「そうなの?すごいなあ」
「あのとき怖かったんだ」
「・・・」
「えへへ。だからありがとう」
「ふん」
 何か気恥ずかしくなってそっぽを向く妖怪にりんは微笑んだ。
「殺生丸さま、大好き」
 妖怪は何も言わないがりんは知っていた。
 そう言われると少し困るみたいだけど嬉しいらしいと。
 妖怪が慣れない場所で眠れないでいたことに気付いて傍へ来てくれた。
 ただそれだけのことだったが。
 とてもとても嬉しかったのだ。