奥様は17歳 (その二)



 「殺生丸さま、明日は・・・」
 「早いから”早く”しろ、か?」
 「!ち、違うよう」
 「じゃあ、いつもどうりでいいのか?」
 「そじゃなくって!」
 りんは抱きかかえられて寝室へ向かう途中だった。
 そんなことを言っている間にもうベッドの上へ着いてしまった。
 ふわりと降ろされると同時にだんな様に圧し掛かられてしまう。
 「殺生丸さま、お風呂は?・・・んんっ」
 「”後”でいい。」
 「・・・はあっ、あ・あん」
 抗議は中断せざるを得ない。もうりんに余裕がないからだ。
 口を塞がれるわ、服を脱がされつつりんの弱い部分を触られるわで
 奥様はすっかりギブ・アップして身体の力を抜いた。
 「・・・電気消して、殺生丸さま・・・」
 ハズカしがりやの可愛い奥様のお願いなので
 だんな様は枕元に置いてあるリモコンで室内の照明を暗く落とした。
 寝室の照明はリモコン付きにしたのはもちろん、だんな様。
 結局いつものようにここでも熱い"講義”の始まりだ。
 お勉強は好きじゃないりんだが毎日マジメに継続中だった。
 机の上でもベッドの上でも。



 涙で潤んだりんの瞳を覗きこむようにして
 「大丈夫か?」とだんな様。
 「・・・」こくんとうなずきだんな様に甘えるようにもたれかかる。
 「でも、歩けない。お風呂まで連れて行って」
 「よしよし」
 結婚してからお風呂はいつも一緒だ。月に何日かは”お休み”があって
 その時期はりんが嫌がるので(当たり前だ)夜の”講義”もお休みで、
 お風呂も別々だがそれ以外はいつも一緒。
 恥ずかしいのは恥ずかしいのだが”夜のお勉強”は
 特に疲れてりんにはもう抵抗する余力が無くなっているのだ。
 初めのうちはほんとうに足腰に力が入らずお風呂ではだんな様にまかせっきり
 なんてこともあって、要するに慣れてしまったのだ。
 新婚ほやほやのころはもう色んなことにパニックな奥様だったが
 そういうものなのかなと納得させられていることも多い。
 だんな様は無知な奥様にあれこれ教え込み、毎日がパラダイス!
 男ならなってみたい状況を叶えてしまっている羨ましい毎日だった。
 さて、奥様はもう眠くてたまらない。パジャマに着替えてベッドに戻ると
 ばたんきゅう!だんな様はおふとんを掛けてあげたり、とまってないボタンを
 とめてあげたりしてから自分の腕に抱えておやすみのキスをして、
 奥様の寝顔を確かめてから自分も目を閉じる。そんな毎日だった。





三に続く