焦らされて


りんが慣れてくると殺生丸は色んなことをさせた。
それこそりんが恥ずかしさに涙するほどのことを
何度も抵抗し、懇願し、それでも許されない。
何故嫌なことをさせるのかと尋ねてみた。
困った顔や様も味わいたいからだと返される。
では意地悪な物言いややり方はどうしてかと訊く。
拗ねる仕草を見たい、頬染めさせたいからだと答える。
もうやめてと願ってもやめないのはと訴える。
止めることが出来ぬから、いくらでも欲しいからだと。
焦らせるのは楽しいからなのと問えば、
おまえがいかに私を焦らせているかを思い知らせるため。
「りんが?殺生丸さまを・・・?」
「そうだ。焦がれているはお互い様だ。」
上気して熱くなる頬を両手でくるんで、瞳を見上げた。
「じゃあ・・・りんをもっともっと・・・」
「これ以上愛せはしない」
「いじめて・・・めちゃめちゃに、して・・・」
「私をこれ以上・・・狂わせるつもりか」
焦らせ、焦らされ、恋い焦がれて
今宵もまた共に果てるまで
尽きない欲と想いの繰り返し。