Heaven's gate



その門を開けてわたしを連れて行って
甘く苦しく深いところへわたしのすべてを
初めてからどれほどここを通っていったの
わからないけどいつもあなたと深く交わるところ
溶け落ちてふたりがひとつになれたような
錯覚でも夢でもない痛みから始まった未来
あなたの指と唇で触れて知った扉の向こうへ
わたしを狂おしく燃え盛らせるその瞳で
妖しく誘ってもっと強く壊れるほど抱いて
明日が来なくなっても時間がなくなってもいい



その門の鍵は何処で見つけたか
かつて無い興奮と恍惚の海の底に似た
息も途絶えそうな広い蜜の園へと
おまえを知るまえから探し求め
気も狂わんばかりの夜を越えて
やっとたどり着いた扉の向こうへ
おまえの甘く震える声を頼りに
何度くぐりぬけてもやむことのない情熱を
幾度打ち込んでも焦がれる想いを
汗と涙が枯れはてるまででも
離さないこの天へと上る門の鍵



「いくぞ」
低く耳元で囁かれる
頷くだけのわたしに
名を呼び掠れる声が絞り出る
羞恥に滲む涙が歓喜のそれに摩り替わる
漏れる吐息すべてがふたりを高める
すがりつき懇願するように
キツク締め付けあい揺れる身体
どうすればいいのこのまま
おちていくの、のぼっていくの、どっち
わからないの、ただあなたが愛しいの



染まる頬に濡れた睫毛
頷くときのわななく唇
わたしを呼び誘う視線をおまえは知っているか
何もかもがふたりを結びつけ
溢れ出す想いを激流に変える
しがみつく腕も細い指先も
囁くたびに震える耳元も
いつしか痛みではない声を聞かせ
計り知れない幸福の頂きを知る
求めて求められるこの快感を
どうすればいい、壊してしまいそうで
熱さと怖れの狭間を行き来する
何もわからなくなる、ただただおまえが愛しい