焦燥 



私の命は短いのに
沢山してもらったのに
返す当てはどこにもない。


どんなに背伸びしても私は子供で
あなたを包む腕も無く
慰める言葉も何も持たない。

あなたの瞳に映るのは
足手まといのただの子供。
あなたの好きにしていい命。
だけどあなたは望まない。

この短い命と小さな身体。
全てを粉にしてあなたに
何もかもを溶かしてあなたに
捧げて護ることができたならと


叶うはずもない願い。
それを思うと心焦る。
いつか別れがくるのなら
どうか傍に居て欲しい。






おまえの命は短く
瞬く間にも似ている。
それは自明の理。


まだ子供であるのに
いつまで子供であるのかと
死を迎えるはどれほどかと。

おまえの瞳が私を見る。
求めるでなく
甘えるでもなく
儚い夢のような子であるのに。

この身体や爪の毒を隠し、
ひたすらに子のあるがままを護る。
微かな命がかき消されぬよう
あらゆるものから遠ざける。


どんなにしてもおまえはゆく。
それを思うと心焦る。
この腕に閉じ込め
我が身の一部とできるならと。