ただ、愛してる



君へ届けたい想いなんてあからさま過ぎていて
飾っても隠してみてもほとんど意味をなさない
どうしてそんなにもボクを幸せにしてくれるんだろうね
全て受け取っているよ 一欠片も残すまいとして
だがこのボクからのお返しはどれほど届いているんだい?
君を口説くことがこれほど困難だとは思わなかったよ
昨日も今日も明日もボクは休むことなく君へと挑む
どうか受け止めておくれと 心から愛しているよと


「というわけなんだが、どうだい?」
「う〜ん・・・70点くらいっスかね〜v」
「むむっ!なるほどでいて厳しい採点だねっ!!」
「あっはv一応自分でもイマイチだったんスねv」
「ではね、こういうのはどうだい?例のあのとっておきのワインを・・」
「あー、アレはまだダメッスよ!」
「何故だい!?何故そう断言するのかな?!何やら秘密の匂いがするねっ!」
「何言ってんデスか、アヤ君!アレはあのときと約束したではないですか〜!?」
「はっ!?・・・このボクとしたことが君への想いに耐えかねて・・」
「まるであたしがゴーモンしてるみたいに言わないでくださいよ〜!」
「これはもうある意味拷問のようなものだよ、愛の力で癒しておくれ!」
「ぷぷぷっ!それじゃあ30点くらいっスねv」
「今日は特別厳しいんじゃないかい?美音。試されいるんだね、このボクの愛が!」
「そんな滅相もない。アヤ君ってば女心に関してはまだまだだね〜v」
「なんと!?・・・しかし君のそんな正直で嘘偽りない態度が好ましいと感じるよ。」
「えへへvそんでもってそんなまだまだなアヤ君が・・・すごく好き・・・ッスよv」
「・・・・」
「どうしたの?!わっ・・!」
「・・・このボクをこれ以上どうしようっていうんだい・・美音・・」
「・・・どうもしなくていいのです。そのままで大好きだから♪」
「お手上げ、降参。このボクがこの地上のおいて君の前でだけは惨めな敗者だ。」
「そんなことないですよ。告白してるのにそれはないでしょお!?アヤ君?」
「美音・・ボクも・・愛しているよ・・」
「天に昇る気持デス!アヤ君は敗者でなくて美音の大切な人なんですよ!!」
「そうだね、君を愛することのできるボクが敗者であろうはずもない。馬鹿なことを言ってしまった。」
「デショウ!?」
「美音、今夜も傍に居てくれるかい?」
「居ますとも。他では眠れマセン!」
「・・・そうくると、眠らせない、と言えなくなるではないか・・;」
「あ、そうか。やー!?アヤ君てばえっち〜v」
「もしやこのボクの日々の努力をあざ笑っているね?美音。」
「毎日くどき文句考えるの楽しいって言ってたじゃないスかぁ!」
「それはそれ。やはり恋する男というものは非常に臆病にならざるを得ないのだよ。」
「恋する女だって結構大変なんですよ?」
「今日も恋してくれてるのかい?」
「見えませんか?意地悪デスね・・」
「違うんだよ、もう目が眩んでしまって・・・」


結局どの口説き文句が成功したかなんてことはいつも覚えていない
お互いに引き寄せられるように唇が触れた瞬間、綺麗さっぱりだ
どんなに苦しい想いもどれほどの愛しい気持ちも何も見えなくなってしまう
溶け合い混ざり合って美しい時間へといつの間にか移り変ってゆく
幸福とはこうした日常を当たり前に過ごせるところにあるのだ
何もかもが美しい そんな日々を生きてゆく 君と二人で
ただただ愛してる その言葉を君へ届けることがボクの日常であり続けるよう
ひたすらに迷わずに君の瞳の前で耀いていたいと思っている
君の耀きに負けないでいられるようにと祈りながらずっと


「ねぇ、美音。」
「なんですか?」
「もいちど言って?」
「アヤ君が好き」
「美音を愛してる」

微笑む互いの瞳の中に幸福を見てとると
こみ上げてくる想いにまた肌を寄せあうのだ
ただ愛していると それだけを受け止めて






「フルーツバスケット」の綾女×美音です。あっまあま!(笑)
もうできちゃってからの二人です。毎日彼は彼女を口説いてるんだろうと思いまして。
とっても楽しかったです。やっぱ好きだよ、馬鹿ップル万歳!(^^)