虜囚 




瞳の中に
腕の内に
記憶の間隙を
臓の奥にさえ

閉じ込めることも
解き放つことも
忘れることすら
適わず

痛みに
血すら沸き
裂かれるほどに
喉乾き
指先は痺れ

いつ果てるとも
知らぬ責
救いはただひとつ


黒き双眸に
儚き腕に
鼓動のなかに
流れる血潮に

我を納めよ

捉えたのは我
囚われたのも我

与えたのは我
奪われたのもまた