*お断り*
サイの死の直後です。つまり二人とも死んでます。
それでも大丈夫な方はスクロール願います。
どぎつい表現などは一切ございません、サイアイです。
































最愛



「遅いよ、アイ!どんだけ待たせるのさ。」
「こんなに早く来られるとは思いませんので・・」
「もしかしてアイ、待っててくれた?」
「お待ちするつもりではございました。」
「そっか。ならいいよ。アイに早く逢いたかったんだ。」
「・・・私はもっとお待ちしていたかったです。」
「ちぇ・・冷たいなぁ、相変わらず。」
「あなたを思えばこそですよ。」
「わかってるけどさ、『私も』って言って欲しいじゃんか。」
「私もお逢いしたかったですよ、サイ。」
「ホント!?」
「本当です。」
「あのさ、アイ、オレ見つけたんだ。」
「ご自分をでございますか?おめでとうございます。」
「うん、オレはねアイに出逢ってからのオレがホントのオレだよ。」
「それは・・」
「それまでは単に迷子になってただけだ。アイに出逢ってオレは変ったんだよ。」
「・・・・」
「全然気付いてなかったけどね!・・・アイが先に逝っちゃうまでは。」
「私が死んだからお気づきになったと?」
「酷いよね、でも仕方ないか。それはもういいんだ。」
「・・・・」
「だからね、アイといっしょに居るときがホントウのオレってことさ。」
「兄弟だったり、姉妹だったり?」
「そう、友人だったり、恋人だったり・・」
「それのどれもが?」
「オレだよ。オレはアイをね、愛してた。知らなかったけど。」
「そうですか。ありがとうございます。」
「過去形で言ったのに、いいの?アイ。」
「あなたのなかみが知りたかったのです。だからお礼申し上げました。」
「そうか、そうだったね。こんなので満足?」
「ええ、充分です。」
「アイはオレのなかみを予想してた?」
「いいえ、予想はしていません。」
「興味なかったの?」
「私はあなたをいつの間にか愛していました、サイ。だからなかみはなんでもよかったのです。」
「知りたかったって言ったじゃん!」
「ええ、あなたがどんな答えを見つけるのかを知りたかった、とても。」
「ふぅん・・・」
「私を殺してなかみをご覧になるという約束は・・・叶えてさしあげられそうにないのですが?」
「そだね、そのかわり叶えて欲しいことならあるよ。それで許してあげる。」
「それでしたら、なんなりと。」
「これからはずっとずっといっしょ。はなれないで、傍に居て。」
「あなたのお望みのままに・・」
「うん。オレはアイに出逢えてうれしい。オレの名はサイだ。他は要らない。」
「私の名はアイです。あなたに寄り添うアイ、ただそれだけで充分。」
「オレたちって最高に幸せじゃん!」
「そうですね、幸せです。」
「ごめんね、生きてるときにわかんなくて。」
「いいえ、私は生きているときも幸せでした、あなたと出逢えたから。」
「そうか、わかんなくってもオレも幸せだったよ、アイを見つけて。」
「ありがとうございます、サイ」

「きっと死んだら迎えに来てくれるって思ってたんだ、ずっと。」
「お待ちしていないと叱られそうだと思ってました。」
「それでこそアイだよ。」
「そろそろ・・・いきますか?」
「二人でなら、どこでもいいよ。」
「そうですね、あなたが居れば。」
「あっでもオレもうただのサイだから、アイを護れるかな?」
「私もただのアイ、あなたの知ってるそれだけの存在です。」
「それだけでいいんだ、アイがすきだよ。」
「私も好きです、そのままのあなたが。」

このまま記憶だけになってしまってもずっとあなたのお傍に・・・いますよ










死んだらきっとお迎えに来てくれると信じて・・・