「ちょっと待ってて」 


初めての瞬間を思い出すといつも心が騒ぐ
柔らかくてあたたかい感動で胸が甘く痛んだ
だけどその感動は少し後の衝撃に持っていかれて
この頃ちょっと困ってるの あの胸のときめきは?!
ねぇそんなに奪うように持ってかなくていいのに
確かに今だってどきどきと胸は騒がしいんだけど
まだだめ もうちょっと待っててくれないかなぁ
蕩けそうな身体が包み込まれると何も言えなくなるんだけれど


「・・もぉ・・すとっぷぅ〜!」
何度目だかもうまるでわかんない 唇がまだ震えてる
「なんだよ・・おまえから誘っておいて・・」
「嫌じゃないよ、でももうダメ、変になりそう・・」
そんな物足りない顔されるとホントに困っちゃう
だって私も・・・ホントは・・もっとされてたいんだ・・
ついねだってしまったりして後で恥ずかしいくせに
短く触れるだけでいいのに最近はそれじゃすまなくなったね
とても嬉しいと思うのはあなたがちゃんと止めてくれること
ごめんね、こんなに気持ちいいのに・・でもこれ以上はムリみたい
あなたが優しすぎてどうしようもなく幸せなのに・・不安になるのは
嫌になってしまったら・・もうしてくれなくなったら・・なんて
「なっつん・・」
「何だ?」
私の髪をいつも大きな手で撫でてくれるこのキスの後がとても好き
どうすれが伝わるのかなぁ?泣きそうになるほど嬉しいこの気持ちを
「・・なんでもない・・」
「そんな泣きそうな顔すんなよ・・なぁ・・」
「え、そんな顔してる?・・なっつんが優しいなぁって思って・・」
「・・・?オレが・・?!」
「キスしてくれて・・もうやだって言ったら止めてくれて・・撫でてくれて・・」
「そんなの・・がか?」
「ほのかばっかりわがまま言ってるみたい。ごめんね?」
「謝るな。オレは・・オレが嬉しいんだから・・感違いすんなよ。」
「勘違い?」
「おまえがねだってくれるのが・・そんでちゃんと止めろって言ってくれるのがさ。」
「そ・うなの?!」
「だから悪いとか思うなよ!怒るぞ。」
コワイ顔で怒られちゃった。なのにすごく嬉しい。とてもとても・・
「そっか・・よかった。心配してたの、ほのかこの頃ねだってばかりだから。」
「だから・・ほんとうはもっとねだって欲しいくらいだ。」
「!?」
「おまえが嫌だって言ったらもう・・オレはどうすることもできねぇからな。」
「・・なっつんてば・・ほのかに遠慮してんの!?もしかして。」
「遠慮っていうか・・その・・;」
「なんだぁ・・!なっつんもしたかったの?!」
「う・・・まぁな・・」
「あのね、ほんとのこと言うとね、初めてキスしたときすごく感動してさ・・」
「?ああ・・」
「あのとき少しだけ触れただけですごく嬉しかったのに、ほのかってばさぁ・・」
「・・?」
「長いキスもすごく気持よくって・・何度もして欲しくなって・・」
「どうしてこんなに足りないとか思うかなってちょっと自分が嫌だったんだけどね?」
「・・・」
「なっつんが嬉しいって言ってくれてなんだかほっとしたの。えへへ・・」
なっつんがまた私の前髪に手を触れて、くしゃっとすると何度か優しく撫でてくれた
とても照れたような、でも嬉しそうな・・笑顔に胸があのときみたいにきゅっと音を立てた
「・・・オレもあのときのこと覚えてる。」
「あ、そうなの!?」
「きっと触れたら・・止められないと不安だった。おまえが怖がったらって思うとな。」
「怖くなんかなかったよ。よくできました!」
「ぷっ・えらそー・・でもほっとしたんだ、オレも。おまえ笑ってくれただろ?」
「うん、すごく嬉しかった。」
「だから足りないって思ったのはオレのが先だ。いつも足りないって思ってる。」
「・・あ・・」
「ってか・・恥ずかしいこと言わせんなよ・・まったくおまえは。」
「だって・・なっつんてば・・可愛い!」
「ああっ!?なんだと!」
「・・だいすき・・」
私は大好きなあなたの首に腕を巻きつけてぎゅうっと抱きしめた
少し驚いたあなたはそれでも私を抱きしめ返してくれる そう、ぎゅうっと
「ねぇ好きでたまんないよ?どうすればいいのかな?!」
「・・うるせーよ・・」
二人は視線を合わせると黙って目蓋をゆっくりと下ろしたの 同時にね
胸がまた締め付けられるように甘く悲鳴をあげるけど止められない
抱き合ってキスをする それが確かめることだったんだね
また一つ賢くなってしまったよ なっつんありがとう
そうだよね、舌だって初めはされるがままだったけど・・
もうできるようになったの 私から差し出すことだって
でも・・途中からいつも・・何にも考えられなくて・・・

「こら・・いい加減止めないと・・しらんぞ?」
「・・は・・ふ・・とめないと・・ダメ?・・」
「いいのかよ?・・」
夢心地だった私を一気に正気にさせてくれたのはやっぱりあなたで
「やっ!・・どこ触ってんの!?いやぁ・・」
「止めないからだ!服の上だろ・・?」
「離してぇ!えっちぃ・・!!」
「おまえの顔と声の方がよっぽどだっての!」
「だって・・・胸掴まないでよ いきなり・・!」
「だったら押し付けてくんなよ・・!おまえのでも多少は・・」
「多少って何!?むーっ・・・」
「いや、その・・掴めるようになっただけでも・・なぁ!?」
「キライっ!!なっつんなんて。離してよっ!」
「すまん!ちょっ、おい。悪いっつってんだろ!?」
ぽかぽか殴ってやったの せっかく気持よかったのに〜!
「んもうー!なっつんのばかぁ・・」
なんだか恥ずかしいんだか悔しいんだかわからなくなって
居心地のいい胸にもう一度飛び込んで火照る顔を隠したの
「もぅ知らないっ・・・」
「悪かったよ・・ほのか・・?」
私を抱く手がとてもぎこちなくて困ってるんだなぁとわかった
おろおろしたような声が可笑しくてホントはもう怒ってなかったんだけど
簡単に許してあげないでちょっとだけ意地悪しちゃおうって思って
「嫌。キライ!」と顔を伏せたまま言ってみると
「・・もうしないからさ・・?」
なんだか拗ねた小さな子供みたいな声が聞こえて溜まらずに笑っちゃった
「ぷーっ!あははっなっつん・・・可笑しい・・!」
「お?!おまっ笑ってんなよ!」
「ぷぷぷ・・だってぇ!」
「・・・機嫌直ったのかよ・・?」
ぶすっとした言い方だけどほっとしたってあなたの顔には書いてあった
「仕方ない、許してあげるよ。」
「そりゃどーも。」
「・・あ、思い出した。ね、もしかしてさぁ・・なっつんに触ってもらったら胸おっきくなる?」
「え!?・・し、知らねーよ・・そんなの。」
「なんか誰かがそんなこと言ってたような気がしたんだけどな・・?」
「・・・触ったら怒ったくせに何言ってんだよ、よくわかんねーやつだな?!」
「うー・・でもやっぱり恥ずかしい。いい、もうおっきくなんないでも。」
「あ、そ・・」
「何、そのがっかりした顔・・?」
「へ?!い、いやっ、別に・・?」
「・・・ほのかの胸ちっさくてがっかり?」
「いや・・よくわからんかった・・って、怒るなよ?大きさじゃなくてだな・・!」
「・・そういえばほのかもびっくりしたけど・・よく覚えてないや。」
「ふーっ・・言っておくが大きさとかそんなの・・どうでもいいから。」
「え!?どうでも?・・ホントにィ??」
「ああ。ってかもうおまえそういうの聞くの勘弁してくれよ・・恥ずい・・!」
「あは、そか・・ごめん。うん、でも気になるっていうか・・」
「そんなもんか?」
「うん・・・もうちょっとおっきくなりたいなぁ・・」
「・・・わからんからちょっと見せろって言ってもダメだろ?」
「うきゃっ!ダメ!!・・やらしいなぁもう〜・・」
「悪かったなっ?!・・・ったく・・」
「・・ごめんね?なっつん・・」
「謝るなって。・・しゃーねーなぁ・・」
「ちゃんとさぁ・・心の準備しとくから。」
「・・・ふーん?・・無理すんなよ。」
「・・でもがっかりしないでね?」
「しねぇよ・・絶対。」
「なんで絶対?見てもないのに!」
「するわけないだろ?おまえのなら・・なんだって・・」
「!!!・・・なっつんてさ・・時々・・感動させてくれるね!?」
「??・・知るか・・おまえは・・いつも・・・困らせやがって!」
「困らせるから・・キライ?」
「・・・じゃねぇよ!ばーぁか・・」
「さっきキライって言ってごめんね?」
「・・・おまえのウソなんてバレバレだから許してやる。」
「・・うへへ・・バレて嬉しいなんて変だね?!」
私が笑うとあなたもまた笑ってくれてその困ったような笑顔も大好き
そうか いつでも胸をときめかせてくれるのはあなた
あなただからなんだよね・・・うんきっともう大丈夫!だから・・
もうちょっと 待っててね・・・







裏ってほどじゃ・・・ないですよね?これ・・(多分)
どうしようかなって思ったんですけど結局先の小説の続きってことで
こちらに展示してしまいました。らぶらぶが苦手な方には厳しい内容だ・・
まぁウチでは仕方ないのでまたこんなの書いたりしたらばお許しください。