Tweety Kiss


 またもや目を開けっ放しにしてしまった。
何度目か忘れたけど目を閉じるよう言われる。
不意を突くからいけないんだと唇を尖らせると
ちゅっと音を立ててまたちゅーされた。くやしい。

 「なっちはなんでそやってドロボーみたいなことするの!」
 「・・悪い。そんなに嫌だったのか。」
 「ちゅーはいいの、ちゅーは!そーじゃなくってこう・・」

人が説明してる最中にもするからさすがにむっかり。
なのに反省するどころかフンと鼻を鳴らして横を向く。
むかむかの気持ちをガマンなんかしない。飛びついて
なっちの顔を無理やりこっちに向けてこっちから反撃。
それがいけなかったんだろーか。ひっくりかえされた。
でもってなんだかいっぱい・・なんだいこのちゅー嵐。

 「す・すとーっぷ!なっち!こらあっ・ちょっむ・うぅ・」
 
調子に乗ってるとしか思えない。待ってさえくれないし。
だいすきだからってこんなのやりすぎじゃない?でしょ!
長いのがきてしばらく頭が真っ白。終わったら息が上がってた。

 「なっちー・・よっきゅーふまん!」
 「まだ加減してる。なあ、ダメか?」

至近距離のなっちの顔はただでさえ破壊力があるのにずるい。
甘えた声と叱られた子供みたいな顔でねだる。これには弱い。
なっちが許可を求めているのはもっとの意味。でもそれは・・

 「・・・イヤ。アレは熱くなって変になっちゃう。」
 「ならそれは諦めるから、場所を替えてもいいか?」
 「ばしょってどこいくの?」
 「それは俺の部屋。さっき言ったのは唇以外ってこと。」
 「どっちもダメえっ!!なっちえっちする気でしょっ!」
 「・・・少し。」
 「ダメだったらあ!こんなお天気いいのに!出かけようよ。」
 「俺の我侭もたまにはきいてくれよ・・ほのか。なあ・・」
 「その顔やめてよ!ほのかイジワルしてるみたいじゃない。」 
 「してるじゃねえかよ。」
 「なっちだって!あいこだよっ!!」

無理やりしないのはなっちの良いところなんだけど、たまに
完全に負けちゃってお任せしちゃうとえらいことになるの。
お出かけどころじゃなくなってベッドで朝までとか・・怖い。
なんでこんなんなったんだっけ。なっちは首を振る。悪いとは
思うけどなっちも会えない日が続くと耐え切れなくなるそうで。
ほのか不足で死にそうになる。(らしい)わからないでもない。
ほのかだって寂しくって会いたくて泣いちゃったりもするから。
だけどただ会いたいって思うほのかと違ってなっちはえっちも
ってのがどうにも腑に落ちない。慣れない頃は大分遠慮してたから
それも理由のうちなんだって。う〜ん・・確かに今は痛くないし
本当のこと言うとすごく気持ちイイんだけど。だけどだけどだよ、
なんかそればっかりしたいのと違う!?って疑ってしまうんだ。

 「なっち・・ほのかがダメって言ったら浮気する?」
 「そんなことが出来たらとっくにしてる。無理だ。」
 「無理なの?」
 「ほのかでないとそんな気にならねえから。」
 「それは・・すごくウレシイけれどもね・・」
 「うん、けどおまえの気持ちもわかる。今日はしない。」
 「えっ!?ほんとに?いいの?なっちい・・」
 「次回倍返しってことでヨロシク。」
 「そっ・それもどうなのかなああ!」

間を取って場所は移動しないでソファの上。でもってちゅーは
”バード・キス”(って言うらしい)に限定してどこでもOK!
ということにした。今日のところは。それでさっきからずっと
なっちはほのかの体の隅々までついばんでる。ホントに鳥みたい。
指はくすぐったいし首はぞくっとする。結局どこでも感じちゃって
困った。うん、とっても困ったことになってしまったの。ああ・・

 「・・?どうした、ほのか?」
 「ぁ・う・・ん・・・あの〜」
 「もう終わりにしろと?」
 「そ・その・・反対・・」

そうつぶやいた時のなっちの顔ときたら。笑っちゃいそう。
思いがけないプレゼントに目を輝かすみたいにすごく嬉しそう!
あっという間に抱き上げて部屋へ連れていかれちゃう。降参だ。
なっちに甘いかなあ、それともほのかも負けずにえっちだから?
もうどっちでもよくて甘えた声を今度はほのかがいっぱい聞かせる。
幸せすぎて変になっちゃうよって耳元でつぶやくの。そしたら
やっぱり幸せそうに抱きしめてくれる。なっちとほのかってさあ、
どうしようもないね。ばかっぷるだね。らぶらぶなんだなあ!

 
 次の日はお休みしてお出かけに付き合ってもらうことにする。
でもきっとお昼までは起きられない。二人でぐーすう夢を見る。
そして朝にはほのかからちゅってしてあげるよ、鳥みたいにね。








久々にハチミツたっぷりなの書いてしまいました!++