「もしかして特別!?」 


「谷本ぉ・・おまえさ、このままじゃあ校内での人気落とすぜ?」
「・・唐突に何を言ってんだ、ゴミ。」
「あんな近所で逢ったりしちゃ見られるに決まってんだろうが?!」
宇宙人新島はいつものように突然訳のわからん話を吹っかけてきやがった。
咄嗟に手刀で薙ぎ払おうと思ったのだが、間合いを読まれた。
逃げに関しては天才的とも言えるカンを持っていやがる。
「だから何を言ってんだかわかんねぇよ!」
「兼一の妹とこの前学校帰りに逢っていただろうが。」
「何でそれを・・」
「おめーは一応フリーってことになってんだから自粛してくれよなぁ。」
「何でオレがおまえにそんなこと言われなきゃならねーんだよ?」
「おっ開き直りやがって。もう公表しちまうつもりなのか!?」
「さっきからおめぇ・・なんか誤解してないか?」
「何をだよ?とにかく新白の圧倒的女性支持を得ているおまえがだなぁ・・ランクを落とすと」
「おい!何ほざいてんだ。オレは兼一の妹とはなんでもねぇぞ!」
「・・・そういうことにすんならなおさら隠れて逢うようにしてくれよ。」
「人の話を曲解するな。オレは誰とも付き合ってねぇし、ヘンなランク付けとかも止めろ!」
「話のわからん奴だな。」
「おまえがだろ!!」
「後輩くんたち、何騒いでるんだーい?」
武田と宇喜田の二人がやって来たと思ったら、宇宙人にまくし立てられ、
「男らしく公表しちゃえばいいんじゃな〜い!?羨ましいね、このこのv」
「いや、だから・・・付き合ってねぇって言って・・聞けよ!人の話!!」
そうこうしているうちに兼一までやって来て終いにオレを責め始めた。
「ちょっと、谷本君?妹をそんな愛人扱いみたいにしないでくれる!?」
「なんでそうなる・・・?おまえら宇宙人の話間に受け過ぎだろ・・」
「こそこそするなんて、絶対反対。そんなんだったら付き合うのヤメてよ!?」
すっかり腹を立てている兼一に面白がってる武田先輩に羨ましげな宇喜田先輩に囲まれ、
まるでオレが極悪人に仕立てられてないか・・?!どういうことなんだよ、コレは!?
「まぁ谷本の気持ちもわからんではないから、諸君。ここは一つ兼一の妹に犠牲になってもら・・」
新島はオレと兼一の二人に同時に殴られ、避けられず地面に沈んだ。・・・むかつくが死んでねぇ。
「まったく・・人の妹を何だと思ってるんだ。ねぇ、谷本君。」
「・・・さっきまでオレにもそう言ってなかったか・・?」
「よく考えたらコイツが諸悪の根源なんでしょ!?ゴメン、ついつい乗せられちゃって。」
「谷本くんとほのかちゃんならこないだ見たよ、仲良くお茶してたよね〜!?」
「そうか、やっぱりね。谷本君、誤解が解けてよかったよ。」
「・・・ぉぃ・・」
「おっと、もうこんな時間だ。じゃあ僕これから園芸部行かないと。またねー!」
「俺たちもそろそろ補習が始まるぜ、じゃあな、谷本、ケンカとかすんなよ。」
「うんうん、じゃあね。可愛い彼女によろしく〜!」
勝手に盛り上がって、勝手なことをほざくだけほざいて皆散っていきやがった。
オレは納得がいかず、呆然としていた。どうしてオレとほのかが皆から誤解を受けているのかが。
地面に踏みつけていたはずの新島がオレの隙を突いて脱出しやがると
「しょうがないな・・そいじゃあなるべく近くをうろうろしないってことでヨロぴく!☆」
「・・・まだ死んでなかったのか・・」
「ひゃっははは・・一応忠告はしたからなー!さらばだーっ!!」
新島を取り逃がしたのは不覚だったが、とてつもない疲労感でもうどうでもいい気もした。
おかしい。いつの間に、そういう誤解が生じたんだ?!オレはふらふらと足を踏み出した。
「あ、なっつーん!お帰りー!!」
「・・・なんでおまえがここに居る?!」
「試験前で部活ないからお迎えに来てあげたんだじょ。」
「もう学校へ来るなよ。おまえなんか誤解受けてるぞ。」
「誤解?・・でももう来ちゃった。帰ろうよ。」
「・・・寄り道は無しな。」
「うん?ヘンななっつん。そだ、今日は数学と英語お願いだじょ!」
「昨日わかんなかったとこちゃんとやったか?」
「やったよー!採点よろしくなのだ。」
「今度平均割ったら承知しねぇぞ?このオレ様が教えてやってんのに。」
「大丈夫さぁ!今回は楽勝だって!」
オレは何か釈然としないものがあったはずなのだが、すっかり忘れて帰路へ着いた。
そうそう、アレは誤解なんだから、そのうち解けるだろ?!
・・・なんで付き合ってるとか言われるんだか・・? わからん!



仲良く帰宅するほのかと谷本の様子を双眼鏡で覗いているのは新島であった。
「総督ー!またデバガメっすか〜!?気の毒ですよ、谷本隊長。」
「今日は尾けたりしねーよ。・・しかしあれだな、谷本って天然だよな、意外に。」
「そッスかぁ!?はぁ・・可愛い彼女羨ましいっすー!」
「可愛いってもまだガキだぜ、あれは。それで谷本もわかってないんだろうがな。」
新島手帳に新たに書き込みが増えたことを谷本夏は知らない。
「まだまだお子ちゃまなんだね〜、谷本君ってvvケケケ・・!」
知らないままで居る方が、誰にとっても平和だと言えそうだった。







さっぱり自覚してない夏くんてのを書いてみました。(^^;
いつの間にか新白連合で公認になっとる!!書いてて自分で突っ込んだよ。
・・・妄想ですから!嘘っぱちなので苦情はご勘弁くださいませね!?