Lovely days  


「ちょっ、止めてよ!離せってばぁ!!」
「ちょっとどうしたの?!その格好。パパに作ってもらったの?」
「いいじゃんか、ぼく・・オレだって修行してるんだから!」
「悪いなんて言ってないよ、カッコイイよv」
顔を赤らめる様はわが子ながらほんとに可愛らしいと思う。
パパにそっくりなお兄ちゃんはちいさななっつんみたい。
なっつんに「子供の頃こんなんだったんだねっ!」って言うと、
「ふん」って横向くけど否定しないんだよね。
愛しい息子は甘えんぼなくせに最近妙に突っ張ってるの。
「修行は辛いから嫌だって言ってなかった?」
「もう辛いなんて言わないよ。ぼく・・オレ強くなるんだ!」
「わーvステキ。そしたらママを護ってくれる?」
「・・そうしたかったけど、ママにはパパが居るでしょう・・?」
「パパがそう言ったの?」
「ぼく・・じゃないや、オレ、がっかりしたんだ。けどね・・」
「うんうん、けど?」
「ぼ・オレ強くなる、だってお兄ちゃんになるんだもん!!」
「そっかぁ、そうなんだー!」
「それでね、ぼ・オレが妹を護ってあげるんだよ!」
「あれ?弟かもしれないよ?」
「パパが女の子だって言ってたよ?名前も決まってるんだ。」
「なんだ、パパったら話しちゃったのかぁ!」
「だからね、ぼく・オレが妹を護ってあげないと。」
「・・嬉しいね、楓香ちゃん。聞えた?お兄ちゃんが護ってくれるんだって。」
お腹のなかの彼の妹にそう言うと、お兄ちゃんの手を当てさせてあげる。
「あっ?!動いたっ!!すごい、ママ。賢いね、楓香ちゃんって。」
「ホントね。きっともう大好きになっちゃって早く逢いたいって思ってるよ。」
「大変だ。ぼ・オレ、修行してくるっ!!」
「いってらっしゃい。」
目を耀かせてお兄ちゃんになる彼は部屋を飛び出して行った。
頼もしいなぁと感心していると入れ違いになっつんが顔を覗かせた。
「あいつ、どこ行ったんだ?」
「夏樹はトレーニング室。はりきってるんだよ、お兄ちゃんになるからって。」
「・・・これで少しは甘ったれが治るといいんだが・・」
「甘えっ子になったのはほのかのせいじゃないと思うけど?」
「オレのせいでもねぇよ、おまえだろ、甘やかすのは。」
「へぇ〜?!妹が産まれたらどうなるか心配になっちゃうなぁ。」
「女の子だったら厳しくする必要ないだろ?」
「ぷぷっ!ちょびっと羨ましいな、ほのかのことも忘れないでよ?」
「何馬鹿なこと言ってんだよ・・」
「パパはママを護ってくれるんだもんね?!」
「あいつ・・・言うなってんだよ・・・;」
「嬉しいな、これからもよろしくね、パパ。」
「あいつ『パパはやめてお父さんにする』って言うのも忘れてるのか?」
「一生懸命『ぼく』を『オレ』に直そうとしてたけど?」
「まだまだだな・・・」
「お父さんを超えるには相当大変だよね!」
「ふ・・そう簡単に超えさせたりしねーからな。」
「それにしてもあの衣装・・・作ってあげたの?」
「・・・どうしてもパパみたいのがいいってあいつが・・・」
「へー、厳しいパパだねぇ?!」
「うるせー!おまえ昼寝するんじゃなかったのか?疲れてないか?」
「へーき。でもなっつんの淹れてくれるお茶飲みたいな〜v」
「じゃあ、夏樹も呼んでお茶にするぞ。けどおまえはミルクだからな。」
「は〜いv」

可愛い息子と優しい夫。こんな幸せ、想像を超えてた。
もうこれ以上はないって思っててもどんどん幸せが増えてくの。
素適な日々がこれからもずうっと続くといいな。
もう一人顔を見せてくれたら賑やかになるね。
私はお腹を摩りながらもう一度囁いた。
「楓香ちゃん。パパとお兄ちゃんとママね、待ってるよ。」
「早く逢いたいな。出てきたらたくさん皆で一緒に遊ぼうね。」









捏造しすぎて怒られそうでびくびくしながらこそっとアップしました。
長男が夏樹くんで、次に生まれる予定が楓香ちゃんなんです。
名前もわりと安易につけたけど、怒らないでくださいませ。妄想ですから;