クローバーリリーさんから贈り物をいただきました!
しかも小説!どんだけ久しぶりでしょうか、夏ほの小説を読むのは・・(涙)
ありがとうございます!宝です。ずっと大事にします!m(_ _)m





さえずり




もう長い間振り回されつづけている。
なのになぜ繋いだ手を離せないのか自分でもわからない。
最初が悪かったのだろうか…
めちゃくちゃにされて苛々するならなぜ追い出せなかったんだ?
妹と重ねてしまったからか?断じて妹ではないのに…
今もそうだしっくりこない存在のまま。許していないはずだったのに…
壁は意味を為さなかった。
物事をプラスに考えて生きるのにもほどがあるんじゃないか?要らん節介,余計な世話…
でも
愚鈍なようで勘が鋭い
自己中心的なようで人をよく見ている
天真爛漫なだけじゃない
母性さえ感じる
あんなふうに接されるのは初めてで…

勝負に負けたからという理由だけではない。
なんでかわからないが,出ていけとはいえない。

「ねぇねぇ〜聞いてるの?」
「…」
「んもぉ〜次のお出かけ計画を話してるのに考え事かい?」
「…分かった。軽井沢だな?」
「野鳥の森だよ!楽しみだね!!」
「植物園やら動物園,水族館…。よくもまあ考えるよな」
「へへへ〜。まだまだ!次はプラネタリウムんでもってその次は…」
「おい!待て!あんだけのレジャースポット行っても満足しないのか?」
「当然!何回行っても物足りないくらいだよ!!」

そうだ。ずっと前から…いて当たり前みたく『これから』を感じさせる。
振りほどいてしまわないといけないのに…
人と深く関わるのはゴメンだと感じていたのに…

「元気〜?ここんとこテンション落ち気味だね?」
「…そうか?」
「大丈夫さ、明日になれば鳥さんたちに会えるし!」
「…どうしてオマエの価値観と一緒にできるんだ?」
「まあまぁ!楽しもうよ」

こっちは,いい迷惑なのに悩みの種はいつもぴーぴーうるさい…
楽しめとかいわれても困る。ただ約束だから行くだけだ…

「見てる?あの子カワイイねぇ〜」
「鳴き声がいいな」
「!!そうだね」
「…どうかしたのか?足挫いたのか?」
「ううん、いい声だね〜って。…本当に」
「なんだよ…それ。鳥は囀んのを聴くもんだろ」
「そうだね,良いこと教わっちゃった!」
「そもそもあんな目立った色のはそこら辺にいないし視力いい奴しか見れないだろ」
「えへへ…」
「…んだよ」
「いつも楽しみを増やしてあげようと思ってたんだけど違ったんだなぁって…」
「へ?」
「二人で楽しみ方を一緒に見つけたいんだよ!」

そうだったんだ。もらってばっかりだな…。
いつも新鮮な世界を教えられてる
そしてそれが怖いものとは…もう感じなくなっていた。
だからたとえ嘘でも信じてやれと言ったんじゃないか…
約束を守ってきたのは義務の為なんかじゃなかったんだ。

「そうだな」
「お〜、珍しく素直じゃないか!いい傾向だね〜?」
「何様だよ…ったく」
「照れてる照れてる」
「誰が照れてるって!」

あははは と笑う顔がやはり眩しい。楽しみ方や考え方も眩しい。
深く関わることが怖いからいつも迷惑だと決めつけていた。
気になってしょうがないから仕方ないと諦めてたフリをした
本当は近くからいなくなるのが嫌でそんな自分認めることが怖かったんだ。

だが今は違う一緒にいない未来なんて想像できない…
悔しいが独りでいる自分にはもう戻れない
離したくないから…

「楽しかった〜」
「…」
「また一緒に来ようね」
「あぁ」
「〜〜ありがとう!大好きだよ〜!」
この笑顔を守ることが生きる意味になる。そんな予感がした。









恥ずかしいほどに清々しい二人ですね〜!?(^^)
すこーし未来の仲睦まじい様子に心が和みました。
素適な夏ほのをありがとうございました!感謝で一杯ですv