「Are you ready!?」 


なっつんと仲良くなってもうどんだけ経ったっけ?
優しくて可愛くて面白くて、ほっとけないヤツで。
初めの頃は偉そうに友達になってあげたみたいに言ってた。
なっつんだって妹さんがいたからそんな風に私のこと見てたし。
すごくひねくれてたなっつんも私の前では地が出せるみたいで。
お兄ちゃんよりずっと優しいから私もいっぱい甘えて。
このままずっとこんな兄と妹みたいな関係が続くと思ってた。
二人で過ごす時間は楽しくてあっという間だった気もする。
ふと気付いたのはどっちからだったんだろうね?
過保護で口煩いなっつんの方だったかもしれないし。
学校では優等生で人気者だったなっつんに不満を感じた私かも。
なんとなくね、違うなって感じてはいたの。
なっつんは他の男の子とは何だか違う、特別だって。
ああ、そうか!好きなんだ!!ってわかったら嬉しくて恥ずかしかった。
随分甘えたり、わがまま言ったりして困らせてたからね。
でも言っても本気にしてくれないし、まぁいいかって思ってたの。
傍に居ていつもみたいに優しいなっつんでいてくれるならって。
でもなっつんはちょっとほのかとは違ってたみたい。
子ども扱いに慣れてたから不思議だったけど・・
なんでわかってしまったかっていうと、内緒なんだけど・・
こっそり私の転寝中になっつんがね・・えっとその・・軽くね?軽くおでこに。
目が覚めて視線がぶつかってなっつんがものすごく慌てて可笑しかったなぁ。
でももちろん許してあげたよ、くすぐったいけど嬉しかったしね。
『あのね、ほのか・・なっつんのこと好きなの』って言ってあげたんだ。
そしたら顔真っ赤にしちゃって可愛いんだから、なっつんて。
『そんなら・・ずっと好きでいろよ』って言ってくれてもっと嬉しかった。
なんかこう気恥ずかしくって妙に目が合わせられなかったりして、やーね。
そんなこんなで私たちって恋人なり立てほやほやの修行中ってわけなの。
どこがどう違ったんだかよくわかんないんだけど、確かに何か違ってる。
ドキドキドキドキするの、普通に一緒に居るだけでよ?信じられない。
こんなにふわふわしてたら可笑しいよね、でも止められなくって。


「ハイ、私の勝ちー!」
「・・また負けた・・」
「大分腕を上げたけど、まだまだだね、なっつん。」
「おまえどんだけ手加減してたんだよ、ヒキョウモノ。」
「卑怯じゃないよ。思いやりじゃないか。」
「よく言うぜ。くっそ〜!次こそは。」
「うんうん、頑張ってvなっつん。さて何してもらおうかな?」
「たまにはオレの困らないのにしてくれ・・」
「どんなの?んじゃあ一個なっつんのしたいこと言ってみて。」
「え?・・何でもいいのか?」
「苦しゅうない。言ってみ?」
「おまえその態度変らないな。むかつく!」
「ほれほれ気の変らないうちだよ?」
「・・・んじゃ・・キス。させろ。」
「ほえっ!?えっ・・ええっと・・なっつんだって偉そうだったよ、今の;」
「別にいいよ、今のは。おまえのすきなこと言え。」
「あ、そ・・うなの・・?なんだ、今覚悟しかかったのに。」
「・・・いいのか?」
「え!?えっと、なんでもって言ったしね・・だけど・・」
「どっちなんだよ、それ・・」
だってさ、そんなの突然言われたら驚くよね、普通。
でもなんだかなっつんも「しまった!」って顔してるのがわかって、
そうか、したいけど我慢してたのかなって思ったら・・いいかなって。
ええい、オンナは度胸だってママも言ってたし!・・違ったかな?・・まぁいいや。
「い、いいよ!なっつん。・・しよう!」
肝心のとこは声がちっさくなったけど、それは置いといて。
なっつんが目をまあるくさせて驚いてるのが可笑しいの。
だから内心嬉しかったんだけど、余裕があったのはそこまでで。
「・・いいんだな?」
って言ってオセロの台を乗り越えたなっつんにどきん!って心臓が跳ねたの。
あっという間で焦ってる暇もなかったんだよ、ホントに。
私のこと抱き寄せたなっつんの腕が優しかったかどうかも覚えてないし。
「なっつん!ちょ・・ちょっと待って。」
「・・・」
私が待ってと言うと律儀になっつんは待ってくれた・・んだけど。
もう心臓がね、どうしようもないことになってていつ壊れるかと!?
だけど私を離してはくれないし、なんだか真面目な顔だし、どうしよう・・
怖いんじゃなくて・・どう言えばいいのかな?もうとにかく大変な感じ。
待ってると言ったくせに顔がなんだか近づいてる気がするし!
ぎゅって目を瞑ってしまったけど、余計に不安になってしまって。
耐え切れずに目を開けると目の前に迫ってたなっつんの口元を押さえてしまったの。
「!?」
「ご、ごめ・・!あの・・も少しまっ・・」
申し訳ないような情けナイ気持で謝ったらなっつんがふっと力を抜いて、
私の身体を包み込むように胸にしまうと頭にのっかった顔から溜息が聞えた。
「ハァ・・・」
「ごめんよ?なっつん・・」
「・・いいよ・・オレも・・・」
なっつんも緊張してたのかなって思った。そしたら少しほっとした。
だから元気出してもらおうと思って、なっつんの顔を軽く引っ張って・・
ほっぺにね、ちゅってしてあげたの。ごめんなさいの意味も含めてね。
「!!」
そしたらね、今度は私の頬にお返ししてくれたの。とても優しく。
嬉しくなってなっつんの胸に顔を埋めたまましがみついた。
”だいすき”ってそのことでいっぱいになってしまったから。
「おい、コラ。くすぐってぇ・・」
「ふへへ・・だってなんか嬉しいんだもん。」
「なんだよ、それ。オレは・・まァいいけどな。」
やれやれって感じで頭を振るなっつんがやっぱり好きだなァって思った。
「ちゃんとしたからいいでしょ?」って言ってみた。
そしたら「ああ!?んなの、予行だろ。」
「ぷぷーっ!練習?!おっかしいの。」
「・・怒るぞ。」
「ぷぷ・・ご・ごめんね。」
「笑うなってんだよ。」
「なっつんが・・・可愛いんだもん・・!」
「そうかよ。」
そう言ってなっつんは私を包んでた腕を解いたの。なんだか寂しい。
「また今度ね?」
「・・まさか。」
「え・・?」

あんまり一瞬で目も開けたまんまで、きっと間の抜けた顔してた!
でも確かに・・重なった、と・・思う・・・やっぱり!?
我に返ったらなっつんがにっと笑ったのが見えたの。だからやっぱり。
「お預けなんてごめんだぜ。」
「だ、だまし討ち!だよ、こんなのっ・・」

その次のはぷるって唇が揺れたから少し強く触れ合ってたんだね。
「やだぁ・・!」
「さっきので勘弁してやろうと思ったらダメ出しすっからやり直してやったんだ。」
「そ・そんなの・・だってこんなの心の準備がっ!」
「待ってたらいつになるかわかんねーだろ!?」
「やーっ!!なっつんのばかぁ!」
「なんだと?!文句言うんなら何度でもやり直しだぞ!」
「ばかばかばか・・うぇ・・」
「コラ、泣くなよ!それこそヒキョウだぞ!?」
「ヒキョウでもなんでもいいのっ!せっかくほっとしてたのになっつんのばかあ!」
「そんなに嫌ならそう言えよ!!」
「嫌なんて言ってないでしょ!?もっとちゃんと・・ううぇ〜ん・・」
「どうしろってんだよ!?わかんねー!」
「わ〜ん・・・!!!」

えっと恋人なりたての頃はそんな感じでした。初心者同士大変だったの、色々と。
けどちゃんと仲直りしたから大丈夫、うん。
なっつんが謝ることないんだけど、謝ってくれたし。
私もね、ごめんなさいしたし。・・ホントだってば。
難しいものなんだね、こう・・タイミングとか・・?!
今はここまですれ違ってないんだけど、初めての頃って懐かしいって思うよ。
指先まで震えてたこととか、息を継ぐこともわからなくなったりとか・・
「ほのかってば可愛かったでしょお?!」って聞いたら
「自分で言うなってんだよ!」とぽかりとされました。痛くないけど。
好きになってよかったのはね、とっても色んなことがわかるようになったこと。
「好き」の伝え方とかもね? 
これからも色んなことあるかもしれないんだけど、楽しみなの。
なっつんと二人ならどんなことも素適な思い出になるんだから。







お疲れさまでしたー!私は肩がこりました。はぁ・・!
こんなごく一部にしか受けないこと書いて満足な私。
少しでも楽しんでいただけることを願ってます。
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