子守唄 



星が降るかと見上げながら
夜を包んで楽しむ娘が居る
優しい声で私の名を呟いては
小さな手を私に伸べて抱く
確かな鼓動に耳を凝らすと
娘の声が忍び込んでくる
母から教わった歌を歌える幸せ
その幸せを私に分け与えたいと
眠れぬより辛いこともあるものを
どこまでも柔らかく私に歌いかけ
知らず天に星降ることを
娘が歌うことを望む

夢をごらんよ いとし子よ
風は夜明けを連れてくる
夢でお遊び いとし子よ
笑顔は光を呼んでくる
ねんね ねんねよ いとし子よ
寝顔は母のたからもの

拙い歌と優しい手を添えたまま
娘がようやく夢を見るころ
私は娘を抱き寄せる
母の望んだたからの寝顔
腕に包んで温もりに酔う

「りん」
「・・・」
「りん」
「・・・」

寝息も震える睫の先も
ただ安らかであれと息を潜め
私に子守唄などは歌えぬが
この夜おまえが夢見るならば
その頬は私に伝えるだろうか
微かな動きも逃さぬように
息を塞がぬように気を配り
頬を寄せ口唇を添える
「りん」
穏やかに寝顔は熱を帯びる
「せ・・・ょう・・る・さ・・」
僅かな娘の口唇の動きは私の名
その夢は私のもの
この娘は私の名を呼んだ
この夜は夜明けを連れて
娘の微笑みを齎すのだ
陽の光よりも娘の微笑みは猶

私の名を呼ぶ 愛し娘よ
歌は耳に流れては響き
私とおまえの夢を包む





りんが殺生丸に子守歌をうたっているところを妄想。
そんなわけで出来た文と(拙い)絵でございます。
ちなみに子守歌は私の即席オリジナルです〜;