How about the taste?



「でね、年の数だけ食べるんだけど・・・」
「そりゃあ、無理じゃな。りん」
「・・・だよね」
「おまえは幾つになる」
「えーと、幾つだっけ・・・」
「覚えておらんのか?!」
「///お、覚えてるよ、えーと十四!・・・だと思う」
「思うっておまえ・・・」
「だっておっかあたちが死んだのは四つか五つかわかんなくて」
「覚えてないんなら四つとして出逢ったときは幾つじゃ」
「九つ?」
「そうするとおまえは今年十五じゃろう?!」
「え、そう?」
「年が明けたからな」
「あ、そっかあ」
「・・・にしてはちと幼いな」
「むう、そんなことないもん」
「馬鹿やって火傷はするしのお」
「あれはその、知らなかったんだよ。熱いって」
「考えなしじゃというておる」
「邪見さまの意地悪!殺生丸さまが消毒してくれたからいいんだよ」
「・・・まだ完全に癒えてはいまい」
「う、ちょっと痛いだけだよ。大丈夫」
「でも豆がつまめるかなあ」
「いやしいのお、治るまで待たんか」
「そうじゃなくて。節分に食べなきゃいけないんだよ!」
「単なる慣しじゃろ、別に気にするな」
「うー、せっかく豆を用意して炒ってくれたの邪見さまなのに〜」
「あと二日ほどじゃろ、ねえ、殺生丸さま?」
「邪見、薬草を」
「へ?はあ、わかりました。採ってまいります」
「りん、もうそんなに痛くないよ、殺生丸さま」
「ああ、邪見さまいっちゃった・・・」
「りん」
「はい」
「口を開けろ」
「え?」
「豆を食うのだろう」
「!はいっ、殺生丸さま」
「あーん」ぱく。むぐむぐ。
「美味しい〜v」
「あーん」ぱく。むぐむぐ。
”・・・舌、小さいな”
「あー、あ?」
「んっんんんんゥあっ」
「・・・」「・・・・」「・・はあっ!あん・・・んんん」
「舌、小さいな」
「!? ごほっ、はあ、はあ、な、何で・・・?」
「豆は食えぬから、代わりだ」
「りんの舌が?!」
「歯と唇」「それと・・・」
「?・・・殺生丸さま・・・?」「!!痛っ」
「・・・そんなの、美味しいの?」
「もう少し育たんといかんな」
「!」「ひどい!育ってきたもん」
「・・・まあな」
「ああっ」「ちょっ、だめ、そんな・・・と・・・こ」
「・・・・・・・・・・」
「・・・あと少しといったところだが」
「味は」「悪くない」
「殺生丸さま」
「なんだ」
「・・・りん、もう立てない・・・わっ!」
「軽いな、やはりもう少し育て」
「むー!?殺生丸さま、どこ行くの、邪見さまが帰って来たとき困るよ」
「しばらく探させる」
「何でそんな意地悪するの?!」
「ゆっくり味わうためだ」
「え?」「あの、何を?」
「まさか・・・りんじゃないよ、ね?」
「・・・」
「あの、りん、手がまだ・・・」
「使わんでよい」
「えと、包帯が緩んできたし」
「結んでやる」
「んーと、りんね、まだ二つしか豆食べてないんだけど」
「食わせてやる」
「年の数だけだよ?」
「私も年の数だけもらおうか」
「え・・・ええええええ〜〜〜〜〜〜!!!殺生丸さまって幾つなの〜?」
「節分はそうするのだろう」
「ううん、もうりん、豆いらないから」
「遠慮するな」
「してないー!」
「もう十五だろう」
「数えまちがえたの、十四なの〜!」
「どうでもよい」
「よくない〜」



りんをからかってるんですよね?それとも・・・本気?!
節分には鬼がでるものですけどね。りんに追い払えるんでしょうか。
かわいそうな邪見、早く見つけてあげてね。殺されるかもだけど。




〜END〜




「蛍雪園」様へサイト一周年に贈呈したものです。
「舌、小さいな」の部分(文)はこがさん作です。