抱擁 



静に畏れ払い
力を入れ過ぎぬよう
花咲くごとき笑を
抱く腕の愛しさ

見つめては確かめ
感じては満たされ
匂い立つまでゆるりと
触れ合う肌の温かさ

我を映す瞳深く
頼る腕切なく
淡い口唇の蜜
融かす刹那の甘さ


澄み渡る心の海遥か
鎮まれば又押し寄せる浪
小さき身体なれど
現と噛締める味濃し


どこまでもいとけなくとも
この腕におまえ在る心地
たとうるもの他に無し