愚者の楽園 



よくりんは邪見さまに怒られるんだけど
りんを心配してくれるからなので嬉しい
どんどん優しい気持ちで言ってくれるようになって
りんもそのたんびに邪見さまが好きになるんだよ
そう言うと、殺生丸さまは何故かな?不機嫌
殺生丸さまも邪見さまが好きでしょう?って訊くと
もっとご機嫌は斜めになっちゃったみたい・・・
りんは馬鹿だから殺生丸さまのお考えとかはわからない
それでもご機嫌がよくないとかならわかるんだ
殺生丸さまはわりとわかりやすい方だし
きっとりんが言ったことのどこかがお気に召さなかったんだね
何がいけなかったのかなぁ・・?
殺生丸さまは顔を背けてしまって大好きなお顔が見えなくなった
とっても残念なのでお顔の見えるところまで行ってみた
やっぱり怒ってる・・・目を合わせてくれないよ
ねぇ殺生丸さま、りん、邪見さまも好きだけど殺生丸さまはもっと好き
だからりんのこと嫌いにならないで?ってお願いしてみる
「あの・・殺生丸さま。」
「・・・・」
「ごめんなさい。」
「何を謝っている?」
「りん何かいけないこと言ったかもしれないと思って・・」
「・・・・」
「殺生丸さまがせっかくいらっしゃるんだからお顔見ていたいんです。」
「だからお顔の見えるお傍に居させてくれますか?」
「・・好きにしろ。」
「ありがとう!殺生丸さま。」
よかったそんなに怒ってないみたいでほっとしたよ
お傍に腰掛けようとしたらお膝の上に持ち上げられた
うわぁ・・・殺生丸さまが近い・・すごーい
「邪見が使いで留守なのがそれほど寂しいのか?」
「え?ううん、だって殺生丸さまがいらっしゃるもの。」
「ふん」
「邪見さまに内緒なんだけど・・・あのね?」
「邪見さまのことりん大好きだけど、殺生丸さまはもっともっと好き。」
「・・・・」
「だから殺生丸さまが居てくれるんならちっとも寂しくないの。」
「・・バカが・・」
「え、ごめんなさい・・りんは殺生丸さまのこと好きだといけない・・?」
「・・・・」
りんはとても悲しくなってどうしたら許してもらえるだろうって考えた
けど難しくてわからないからほんとにりんは馬鹿なんだなぁって思った
そしたら殺生丸さまがね りんを抱っこしてくれたの
あったかくてくすぐったくて嬉しくて りんは自然と笑ってた
「殺生丸さま、許してくれるの!?大好きでもいいの?」
「許さぬと言ったら、止めるか?」
「止められない・・・りんきっと死んじゃっても殺生丸さまが好きだと思う・・」
「おまえの好きにするがいい。愚かでも笑いはしない。」
「ありがとうっ!ありがとう、殺生丸さま。ほんとにありがとう・・」
「それほど嬉しいことか?」
「すごくすごく嬉しいです!馬鹿でもいいです。」
「そうだな・・バカだ・・おまえは・・」
「うん。それでもやっぱり殺生丸さまが好きです。」
りんが笑ってそう言うと殺生丸さまは目を細めて悲しいような、嬉しいような顔をした
どうしたのってきいたら、「私におまえを笑う資格はない。」って・・・よくわからない
だけどなんだか寂しそうにも見えたから、「いいんだよ、殺生丸さま笑っても。」て言ったの
「私も愚者には違いない。」
「・・よくわからないけど、殺生丸さまは馬鹿じゃないよ?」
「どうでもよい。」
「よくないよ、殺生丸さまは絶対違うんだから。」
「おまえがそう思うのならそれでよい。」
「・・?うん。りんは殺生丸さまはとっても賢いと思うよ。」
一生懸命そう言ったら殺生丸さまは頭を撫でてくれて、またすごく嬉しかった
「りん、幸せだなぁ・・」あんまり幸せで殺生丸さまになんて伝えていいかわからない
だけど「なら・・よい・・」ってことは・・・もしかしてりんが幸せなのがいいってこと?
それはちょっとずうずうしいよね、だけどもこもこと手に包まれてもうどうでもいいって感じ・・・
「殺生丸さまだいすき・・」多分ね、それだけ言ったら寝ちゃったんだと思う、後は覚えてないから
でも朝までずっと抱っこしててくれたんだよ、邪見さまがびっくりしてたなぁ、可笑しいの
殺生丸さまと居られればりんはいつだって幸せだよ だからお傍に居たい
どんなにこうしているのが幸せかってことをいつか殺生丸さまに伝えられるといいな・・・


  満ち足りた寝顔に悦ぶ
  どれほど愚かであろうとも
  この命の在処が私の住処
  何ものにもかえがたい