「ずっと隣に」



なんだかおまえ、随分大人しくなったよな
そんでもってキレイになり過ぎだろ、おい
ほんの数年前まではガキそのものでさぁ
色気はどこに売ってるのカ?なんつってた
そんでもいつだって俺を見てたよ、そう隣でな
「銀チャン気付いてたアルカ?」
「気づかいでか!」
「そっかぁ・・・銀チャン、好きヨ。」
「な・・んだよ、おま、知ってっか?」
「何を?」
「俺なんてなぁ、もうずっと・・・」
「何だヨ?」
「おまえのこと見てたぞ。」
「へー、マヂデか?」
「・・・おまえ、言葉が顔と合ってねぇよ?」
「私は何も変ってないアル。変ったのは銀チャン。」
「そんな好い男になったか?」
「なわけアルカい!私の魅力に降参したネ。」
「・・・」
「銀チャン、好きヨ。」
「そんな顔は反則だろ・・」
「参ったって言うヨロシ。」
「んなもな、初めっから勝負になってねぇ。」
「惚れた銀チャンの負けネ。」
「おめーだって俺に惚れてんだろ?」
「やれやれ、いい加減素直に言っていいアルヨ?」
「うっせーな・・・・言やいいんだろ・・・」
「いつでもドウゾ。」
「す・」
「す?」
「やっぱそんなん、わかるだろ、おい!」
「わかるから聞いてるアル。」
「      」
「ちっせー声・・」
「・・あのネ、泣くよ?」
「それで許してやるカラ、次は態度で示すネ。」
「いっつも示してるだろうが、隣でよ!」
「だからこれからもずっと隣に居てネ。」
「・・・・おまえも・・ずっと傍に居ろよ?」
「やっと素直に言えたアルナ。」
「どうせ俺の負けだ、畜生・・」
神楽はそりゃもうキレイに微笑んで俺の頭を抱く
耳元でまた「好きヨ」なんて囁くから
その口を黙らせるために神楽の腕を解いて俺の首に回させる
吐息も溶けるほど絡ませる深い口付けが降参の証だ
今夜もまた俺の負けだからその代わりに抱き合ったまま
俺の名をずっと呼ばせてやるんだ