「その男わがままにつき」



「美味しい?銀チャン」
「・・・美味しいです・・」
にこおっと笑う神楽を見ながらこっそりと溜息を吐く
”こえー、女ってホント・・・”
「銀チャン、全部食べないとお仕置きアルヨ?」
「らから、食ってるっしょ・・?」
「うんうん、人間素直に生きないとダメアル。」
「・・・」
「そんで、あれか、これ食ったらおまえ・・」
「既成事実だから、結婚してネ。銀チャン!」
「いつからそんな法律できたんでしょーか?」
「昨日アル」
「作ったのはおまえね。」
「わかってんなら訊くことないアル。」
「んじゃあ・・来月にね。」
「来月?」
「ホワイトデーまでは結論出さなくていいんだよ。」
「嘘アル、そんな法律。」
「いやいやいや、決まりだからね。」
「銀チャン?」
「どっちにしても俺犯罪者のような気もするけどな・・」
「そんなの、だめアル・・」
「銀チャン好きってちゃんと言ったアルし・・」
「ちょ、神楽、おめ・・・」
「銀チャンだってチョコ食べたアルヨ?」
「う・まぁ・・その、だから〜、ね?かぐ・・」
「男なら・・責任とれって言ってんのがわかんねーアルか・・・」
「おお・おっとこだったかな〜?銀さん、最近自信がね・・ちょっとね・」
「つべこべ言うなやー!男にしたるわー!!そこへなおれアルー!!!」



こんなイベントもういい加減止めにしてくんないかなぁ?
こーゆーのってかえって正直になりにくくなるっしょ?
なだめてすかして大変だよ、うちのお姫さんときたらもう血の気多くて。
えー、えー、へたれだよ、へたれな男ですよ。それがどうしたって?
神楽ちゃん、あと少し待っててくれよ・・・観念すっからさ、きっと
なんでこー、だめなんだかわかんねーけど、俺、おまえだけはその・・
そのまんまでいて欲しいんだよ・・・俺の傍でさ・・・わがままだ?
そーなんだよ、俺はわがままなんだよ、わがままきいて欲しいんだよ!
神楽、おまえにはさぁ!






銀チャンは神楽に対してだけはなかなか手が出せないと思ってるんで;