「小さな手」



神楽はよくオレの髪を触るんだ、そのちっさい手でさ。
とんでもないパンチの拳を持ってるくせしてそんときは優しい。

「銀ちゃんの髪の毛、気持ちイーアルー!」

オレね、実は天パやだったんだけどね。男前度が下がる気がしてね。
けど、あんまりもしゃもしゃってする手が・・くすぐったくってさ、
その手でもっと撫でたりして欲しくって、じーっとしてたりするわけ。

神楽はオレと違って真っ直ぐでさらさらした髪をしてて
たまにオレも触りたいなーとか・・たまにね!?・・思うんだよ。
けどね、なでなで・・できない。してもらうばっかりなんだよね。

「銀ちゃん、眠いの?このまま寝ちゃうアルか?」
「んー・・・気持ちイーから・・寝ていいかー?」
「じゃあ寝ちゃうアル!ずっとなでなでしててあげるネ。」
「神楽ちゃんて・・たまに優しいのね。」
「いつも!優しいと言うアル。」
「ハイ、いつも・・なでなで・・あんがと。」
「銀ちゃんも可愛いアルよ、たまに。」
「いっつもじゃないの?」
「ないアル。」
「かーぐら・・ちゃん?」
「なあに?銀ちゃん?」
「ちっさい手だね。」
「銀ちゃんよりはね。」
「銀ちゃんに・・なでられたくない?たまにはさ?」
「なでたいアルか?・・いいアルよ?なでて?」
「なんか・・銀ちゃんの手じゃ・・気持ち悪いかと思って・・」
「変な銀ちゃん!なでる?どんどんなでなさいアル。ってか、こいやあっ!」
「なんでそこで凄むの・・可愛い顔して、ね?」
「どうしたあっ?!?銀ちゃんひょっとして・・寝ぼけてるアルか!?」
「・・・なんで照れるの?たまに神楽ちゃんも・・変だよね?」
「だって・・銀ちゃんが・・優しいから・・変だ・・変!」
「うん、そうね。だから・・もう寝るわ・・」
「えっ!?なでなでは!?してくれるんじゃなかったアルか?」
「銀ちゃん嫌がられたみたいだから、もういい。」
「いくないアル!なんでなんで!?なでてよ、銀ちゃああん!」

大人げないよね。寝たふりしたりして。神楽はオレに被さって揺すってるよ。
どうしてだろうなぁ?たまに・・抑えきれなくなんだよ、銀さん・・
今もオレに触れてるその腕と手が・・欲しくて欲しくて・・たまんない。 
もう今晩はなでてもらえないかもね。ああ、残念・・めちゃめちゃ残念だよ。
って・・・神楽?

「ちょっと!何してんの!?」
「銀ちゃんがなでてくれるまでここに居るアル!一緒に寝るからちょっと詰めるアル。」
「ダメダメ、ここどこだかわかる?銀さんのお布団でしょ!?侵略すんなよ!」
「ダマレ!そのもっさもさ頭をなでながら寝てやるアルから!」
「・・んなこと・・してくれたら・・銀ちゃん困るんだけど。」
「困ればいいネ!なでてくれないなら困ればイイアル。」
「・・なでていいの?神楽・・」
「!?・・なんで・・?」
「銀ちゃんの手は神楽みたいに優しくなくてごつくてでかいよ?」
「だから?・・遠慮してたってこと・・カ?」
「・・・そう・・かも・・」
「銀ちゃんてばやっぱ変。銀ちゃんの手はいつも優しいノニ・・」
「・・いつも?たまにじゃないの?」
「いっつもアル。神楽のこと・・なでてくんないと・・怒るアルよ。」
「銀さん、眠れないかもしんないよ、そんなことしたら。」
「じゃあずっとなでてればイイね。いつものお返しするのヨ、たまには。」
「・・・・ウン・・」

神楽の髪はすべすべで、参った。体もね、小さくて・・でもあったかくて・・

「銀ちゃん、もっとなでて・・」
「その手で・・もっとなでてくれよ、神楽・・」
「眠れないから?」
「そう、じゃないと眠れない。」
「ヨシヨシ・・困った銀ちゃんダネ。」

抱き合って眠ったら、朝まであったかかった。
起きたら小さな手はオレの懐ん中で・・ああ、よかったって思った。
神楽・・ありがと。なでさせてくれてさ。ずっと・・そうしたかったんだ。
小さな手に感謝を込めて、なでるように優しく口付けた。







お世話になってる碧居さんへの贈り物ですv 謹んでお贈りします〜☆
えーと、銀ちゃんが神楽ちゃんのことを単に撫でただけかどうかはですね、
読んでくださった方のお好きにしてやってくださいまし!(^^;
え!?私ですかっ!?(聞かれてないっての)そうですねー!アリかな〜?!