ねぇ、神楽ちゃん



そんなときは大概決まっている。
猫なで声で上目遣いまでして。
ちょっと可愛いなんて思ってしまう。
でも甘い顔は禁物。
なるったけ冷たい視線と声で返すのだ。
「駄目アル。」
「そんなこと言わないで。」
「駄目ったら駄目アル。男らしくないアルよ。」
「神楽ちゃんてば〜。」
「銀チャン、しつこい男はもてないネ。」
「ツレナイ女は・・」
「もててもいいアルカ?」
「銀さん、好きヨ。」
「!・・・そんなコト言っても駄目だったら。」
「んじゃー、もう実力行使。」
「銀チャン!!」
「・・・・・」
どうしてこう負けてしまうアルかなぁ・・・
「・・・神楽ちゃん、怒った?」
「銀チャンの酔っ払い。」
「神楽ちゃんがカワイイから。」
「よく言うネ。」
「ホントよ?!信じねーの?」
「カワイイのは元からネ。」
「ハイハイ、怒った顔もね。・・神楽。」
「!!」
銀ちゃんはズルイ。
呼び捨てにしてまっすぐに見つめるのは反則アル。
言うこときいてあげたくないのに。
馬鹿だネ、私。ホントはね・・・
「ねぇ、神楽ちゃん」って言われたときから
もうどうしてもその顔が見たくなってるから。
くりかえし駄目って答えるの。
「ねぇ、銀ちゃん」
「・・・好きヨ」
悔しいから殺し文句で返すアル。